12月
「”あく”こそ力の素」
茹でるもの
青菜類
其の他 色が出したいなど
どんなものもも絶対水にさらさぬ事
甘味 そのものの味
栄養がぬける
”あく” ”しぶ”はとても体に大切
出来上りの美しさのため
大切なものを捨てないで
よし川幸枝
”あく”はその物の持ち味なのよ。
特にその根に多くの力(栄養素)があるの。
例えばゴボウ、レンコンなどのお野菜は空気に触れると黒くなるものがあるでしょ。
その黒いものが、その野菜の最大栄養素なのよ。
それらは水にさらすことによって、その栄養素は70〜80%失われるの。
だから煮る時も、炒める時も絶対水にさらさないでね。
煮る時は、だし汁が煮立った処へ入れると、真っ白に戻りますが、
その時、だし汁の色は変わらずです。
そして煮て味付け後冷ますと、水でさらしたものより少し色が濃いです。
でも、栄養は水にさらしたものより五倍も八倍も多いのよ。
炒める時も同じよ。
フライパンの熱したサラダオイルの処へ入れると、同じく真っ白になるの、
この場合は冷めても水にさらしたものと同じ色よ。
他にどんな野菜があるかというと、「しいたけ」「ゴマ」「ほうれん草」「黒い葡萄の皮」「山菜」などがあるよね。
例えば炒りゴマをべとべとになるまですって、それを一晩寝かせて、あくる朝には食べようとしても、
酸味と苦さと渋さで食べれません。炒りゴマでさえ、それほど”あく”が強いのよ。
そうして、黒い葡萄の皮の”あく”にあるポリフェノールとアントシアニンは、
葡萄一房で赤ワイン3ダース分なんですよ。
山菜もゆがくと真っ黒になるけど、あれって体にいいでしょ?
でも例外もあります。竹の子のあくです。
でもね、竹の子は水にさらすのではなく、米のとぎ汁や米ぬかで煮るでしょ?
それは中和させて、渋みを甘味や旨味に変えているのよ。
この”あく”は根のものにあるの。
根のものは体にいいと言われるでしょ?
それは”あく”の部分なの。これが栄養素なの。
これは一緒に食したものの栄養を力づけて高めるものなの。
そうして、この栄養素は”精”のつく食べ物にしか存在しないの。
例えば山芋、自然薯などすぐに黒くなりますね。
洗いますか?
人の場合、よく、力のある人や経営者に対し、”あくの強い人”とか”精力家”というでしょ?
それは人間の栄養素をいっぱい持っている人なのよ。
そうして、その”精”は”あく”から摂るしかないのよ。
だから、是非、精力的に生きたい人は”あく”を食べてみてね。
【ほうれん草のゆがいた後】
- ●冷まし方
- 茹でた後、まな板の上かカゴの上に、広げて置いて自然に冷ましてね。
|
●注意
煮立てて出てくるものは”あく”とは言いません。それは肉であれば余分な油や血ですし、他の物の場合も汚れなんです。ゴボウやほうれん草を煮立てると、何か浮いてきますか?何も出てこないでしょ?
本などに書かれていても、その通りにしないでね。本を読んで乗り物を運転できるようになりますか?せいぜい三輪車ぐらいでしょ?料理の達人のお母さんから教えてもらうのが肝心ですよ。
形や綺麗さを取るか、栄養を取るかによって変わります。お料理は命ですから。 |
|