【2009年8月の言葉】


“もったいない”

 

戦後のいい時代を迎え、生活をしてきて、合理化という言葉が流行ってきたけれど
若い人にはその必要がなかったのね。
成長経済の中では、少々の無駄も許されてきてしまった。
だから、合理化が消えてしまったような気がする。

最近、景気が悪くなってようように“もったいない”という言葉が
少し聞けるようになった今、私の幼き頃を思い出す。

戦中・戦後を生きた私は、落ちた一粒のご飯も拾って食べる。
そんなことは普通であった。

合理化は無駄を省いて、それが“もったいない”につながることでしょう?
例として、最近の結婚式。
新しいことや流行する鮮度に敏感な若い人が、
大安・友引・仏滅らの日を気にされますけれと、意味不明よね。

だって、今年の大安は来年は仏滅にもなるし、友引にもなり、赤口になったり
いろいろな日になって60年間で一周するのよね。

友引の意味はね。おんぼさん(死人を燃す人)のお休みとしてつくられたの。
お葬式は絶えずあるでしょ?
でも、友引は誰でも1日のばしてくれる。そうするとおんぼさんが助かるでしょ?
仏滅は仏様が滅するといって、行事ごとや祭りごとを休ませるためなの。
大安は、悪い日ばかりを決めてもいけないので、
縁起のいい日にして祭事をする日に決めただけなの。
だから、これらが人の人生を采配するといのは、全く縁のないことです。

他にも新しき門出のお二人に対して、不合理に思うことがあるの。
半年も先、一年も先の式の日取りを決めかねて
会場を何十件も回り、「あれにしようか?これにしようか?」と
外見だけに捕らわれて手をつないで回っていらっしゃる姿。

結婚式の時間はたった3時間ですよね。
それに半年も一年もかけて、考えねばならんのでしょうか?
二人で半年過ごすのなら、もっともっと大切なことの準備があるのではないかと思う。

永遠の契りなどありゃしない。
心は変わるからいいのよね。
そうでないと怒ったら怒ったままでしょ?
その変わる心を、お互いが守り合って、永遠のつながりに持っていくように
二人で努力する日の始まりが二人の門出でしょ?

結婚式のあり方を合理的にするということではなく、
二人の大切な人生の無駄のない合理的な生き方を表しているのよ。

じゃ結婚式に対して、何が一番大切かというと、
ポイントを握ることではないでしょうか。

それは二つあります。

一つは、お招きするお客様は、必ずご祝儀を持ってこられますよね。
たとえ持ってこられなくても、尊いお時間を頂戴するということになります。
だから、ご馳走をふるまいますね。
“ご馳走”とは、走りまわって、最高のものをふるまうという字ですね。
そのことを一つの中心に置くことが、お客様に対する礼儀ですね。

もう一つのポイントは、ご自分のたち二人のスタートに対して。
変わりやすい心を、長年変わらずフレッシュにしておかなければいけないということですね。
そこで初めて式場が登場します。
二人が誓い合った初心の心を皆様の前でご披露した
二人の愛の尊い場所は何であるのかと言えば、
大安・友引・仏滅に関係なく。
その結婚記念日に、式を挙げたところで、
美しい初心を見つめ直し、良い思い出を心の中から引き出して
「ここでこう誓いあったね。今年も1年仲良しこよしでいこうね」と
心の洗濯になる場所であるかどうかです。

この2点さえあれば、
半年も歩きまわる必要はないのではないでしょうか?
この2つのポイントをしっかり掴んでね。

新しい門出のお二人に、
人生の一番大切なものをきちんと握ってスタートして欲しいから
先輩としてのアドバイス。

この結婚式のことは、ひとつの例。
無駄を省くことは、他にもいっぱいあると思うわ。
無駄は“豊かさ”に対する敵であるからね。

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是非ご覧ください。


よし川幸枝

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